直島の思い出 ~五右衛門風呂の思い出③~

五右衛門風呂の思い出③は「男の仕事場」です。

五右衛門風呂は焚口からまきや石炭をくべて(いい表現だなぁ)お風呂を沸かします。
この焚口は風除けが左右にあり子供にとってはちょっとしたコクピット感覚でした。
薪をくべる父のそばでじっと過ごす事もあったし、親子の会話もありました。

火を扱いたいので、風呂を自分で沸かしたいというと、まずその前にやらされることがあります。
学校から帰った時や休日には薪を切ったり、割ったり、石炭を倉庫から運んだり結構重労働です。
それから後片付けです。灰を処理します。
それをきちんと出来るまでは風呂沸かしのコクピットを渡してもらえません。

そして助手をしながら父を見て火の扱いを覚えたものです。
幼少の頃はやらしてもらえなかったのですが、小学校に入ってからは私の仕事になりました。
任せてもらえて時は大人になった氣分で、嬉しかった事を今でもよく覚えています。
でも本当に楽しかったです。

後は温度管理です。外氣や天候で沸き方が違います。
それを間違えるとあちちだったり、ぬるかったりします。
当時の直島は夏は水不足になる事も多々あり、熱すぎると薄める水がなくしばらく入れないなんて事もありましたから、結構タイトな火力のコントロールをしていましたし、家族で集中して入りました。

父親からいい湯加減とほめられたり、得意の唄が聞こえてきた時はとても嬉しかったのを覚えています。

思えば、家事を通じて親子のコミュニケーションや遊び(薪を入れてしばらく父の手が空いた時にはキャッチボールなどしていました)がありました。

昭和30年代ですから当たり前ですが、3丁目の夕日そのままのような光景でした。

by booska1958 | 2007-12-03 00:00 | 直島の思い出 | Comments(0)

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