直島の思い出  ~焼玉エンジン②~

焼玉エンジンの思い出②です。

老朽化していた、第2太平丸ですが、前述したように私は大好きでした。
とにかくきちんと手入れされていて古くても大切に使われている感じがしました。


焼玉エンジンの詳しいメカニズムは知りませんが、熱でピストン内にある鋳物の玉を熱しておいて、ピストンをまわすと筒内で爆発が起こりその時の熱で焼玉を熱く保ちながら、ピストンを動かすといったようなものだったと思います。当然エネルギー効率は悪かったので、ディーゼルエンジンに比べ遅いのは仕方のないことかもしれません。

船に乗ると私の指定席は船の中央にある機関室の扉の前です。
左舷側が好きでした。
といのは、こちら側に焼玉を温めるまでに使うバーナーが近くにあり、ボーと言うバーナーの音とそのたまらない匂いがしたのです。

何度も見ているのでエンジンの調子もわかります。
小学2年の頃、行きに乗ったときに何となくエンジンの音がいつもと違うように感じました。
よく焼玉エンジンのことを「ぽんぽん船」言ってましたが、小さな漁船は確かにこんな音でしたが、太平丸程度の大きさになるとそんな音ではありませんでした。

一緒にいた友達に「エンジン音がおかしいよ」といっても興味がないのか「そうか?」と言うだけでした。
船室にいる母にも「何だかいつもと違うよ、壊れてるかもしれないよ」といったら、「それなら機関士の人が氣づいて直すでしょ」と相手にされませんでした。
ところが・・・

夕方になって直島に帰るときに、代替船になっていたのです。
やはり調子が悪くてドックに入っていたのです。
母の「あらよくわかったわね」にちょっと鼻高々でした。

代わりの船は第1太平丸か、他の会社の定期便で使用中の直島丸でした。
第1太平丸は引退しているのですが、こういう時や臨時便で使われていました。
同じ焼玉エンジンですが、第2太平丸の機関室の匂いとは違っていました。
直島丸はディーゼルエンジンなので機関室は何となく殺風景にかんじました。

焼玉エンジンの匂いは今でも私の嗅覚に残る良い思い出です。

by booska1958 | 2007-09-28 05:42 | 直島の思い出 | Comments(0)

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