昭和のアンダーグランドの乾いた薫り 浅川 マキ 「裏窓」

寺山 修二により見出された浅川 マキ。
私の浅川 マキのイメージは「紫煙と漆黒」
その独特の世界観からワン&オンリーの歌手と言われています。

その美学は徹底されていて、「アンダーグランドとアングラは違う」や作詞と書かず作詩とという風に
日本語に対する思い入れを強く感じます。
レコードからCDに移行した時もCDの音に拒否反応を示し、
アルバムの発売をしなくなりました。
彼女の死後こうしてCDで聴けるのは何となく有り難いような残念なような複雑な氣持ちになります。

彼女の残した言葉で印象的なのは、
「私は時代に合わせて呼吸するつもりはない。」
時代に合わせようとしていた自分には何ともショッキングな言葉でした。

この裏窓は5枚目のアルバム。
アルバムの構成、装丁まですべて彼女が関わっています。

昭和のアンダーグランドの乾いた薫り 浅川 マキ 「裏窓」_f0141246_127251.jpg


このアルバムの中で一番の私のお氣に入りは「こんな風に過ぎて行くのなら」
彼女の人生観を感じるある作品です。
彼女の詩は決して難解ではなく、ストレートな言葉で来るので
人の心に直に響くのでしょうね。

後は異色の組み合わせで異色の出来の
筒井康隆作詩、山下洋輔作曲の「ケンタウロスの子守唄」がほろっときます。

by booska1958 | 2012-05-05 00:01 | 理事長のお氣に入りのCD | Comments(0)

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