昔話

昔むかし、場所は、北海道の中でもと~っても田舎でリスやキツツキたまには熊も出てくる所での、本当にあったおはなしです。

“もうすぐ1歳になる娘”がいるお母さんに、陣痛が来ました。そのときは、まだ妊娠9ヶ月だったそうです。その日は1月末で猛吹雪でした。病院はそのお母さんの家から離れたところにあり、その天気の中では病院に行くことができず(本当に超田舎なのです!)、ただ一人いる町の保健婦さんに連絡を取ったのですがそこまでは行けないと言われてしまいました。2人目のお産は早く進むことが多いのですが、このお母さんの場合もそうでした。それもまだ9ヶ月と言うことで、よりお産の進みは早かったみたいです。

病院には行けない、助産師もいない、頼みの綱の保健婦もダメ。
そんな中で、なんと1人だけ医者がいたのです。その家のお父さんです。
お父さんは決心し、お母さんに言いました、「俺が取り上げてやる、牛も人間も違いはないだろう!」って。そうです、そのお父さんは酪農の地でた~くさんの牛の診る獣医だったのです。
お産は無事終わったそうです。しかし生まれてきた赤ちゃんはとっても小さく(当然、体重を計ることもできてないので生下時体重は不明です)、ともかく暖かく暖かくとようやくその命を守り通すことができたそうです。

助産師としてその話を詳しく聞きたいところなのですが、私が助産師になった時には取り上げた父は亡くなっており、生んだ母には「詳しいことは覚えていない」と言われてしまい本当に残念でしかたありません。

小さな赤ちゃんは、立派に育つことができました。そんな大変なお産を経験し、小さな赤ちゃんを守り通した父と母は本当に立派だと思います。その父と母の娘として、今助産師として仕事ができることを、心より父と母に感謝しています。

念のため、その時の“もうすぐ1歳になる娘”は私で、小さき生まれたあかちゃんは、今年の1月末に無事に誕生日を迎えた私の弟です。
                    by おねえちゃん

うん、素敵なお話しです!!
「おねえちゃん」が助産師になったのもこういったベースがあったからでしょうね。
「おねえちゃん」これからも多くの命と素敵な出会いをしましょうね。理事長より

by booska1958 | 2008-02-25 13:57 | スタッフから | Comments(0)

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