脂肪の多い食事は乳腺炎の原因にはなりません!!

良く食べ物で乳腺炎になると言われることがあります。

そのため脂っこいものや甘いものはいけませんと言う指導を行う助産師、医師もいます。

しかしそれには根拠はありません。
あくまで経験に基づきます。

エビデンスの中でも経験や少数の症例に基づくものは重要視されないにもかかわらず、
こういう意見がまかり通っているのは残念です。

つい最近までうちのスタッフにもいましたし、
アンケートでも院内の食事が母乳に良くないという意見がありました。

2008年にThe Academy of Breastfeeding Medicine(ABM)が出した乳腺炎に関する指針があります。

http://www.bfmed.org/Media/Files/Protocols/Japanese%20Protocol%204%20revised.pdf

この中で

「特定の食事内容がヒトにおける乳腺炎のリスク因子となるエビデンスは存在しない。」

とあります。

理由としては、

1)母親の食事は脂肪の組成には影響するが、脂肪の濃度には影響しない

2)乳汁中の脂肪量は一定以上は上がらない。
 食べた量と乳汁中への脂肪は正の相関ではなく、ホメオスターシスが働く。

3)脂肪球の直径はわずか脂肪球の直径は、1〜10μm→脂肪では乳管(直径2mm位)は詰まらない

などなどがあげられます。

また脂肪は脂溶性のビタミン、免疫物質などが含まれていて重要な成分が含まれていて
児にとって需要な栄養分ですから低脂肪食にこだわる必要は一切ありません。

注)クリニックが和食と洋食(中華など含む)を2:1で提供しているのは、
私たち日本人にとって消化しやすい食べ物を提供したいという意味で
母乳に和食が良いという意味ではありません。
その点も誤解があるようなのでここで明確にしておきます。
和食=日常食という考えがクリニックの方針です!

では、経験的にケーキを食べたらおっぱいが張ったという方もいます。
そういう時のシチュエーションはどうでしょう。
本来ならば授乳しなければならない時間だったのに
外出先なのできつめのブラをしていたとか、授乳できなかったとか、
つい赤ちゃんが寝ていたので、ティータイムしてしまったとか
授乳間隔が空いていませんでしたか?

そういう点を氣をつけてもらえれば心配ないんですよ!

ですからこのクリスマス、授乳中の方も心配なくケーキ食べてください。
でも授乳は間隔開けずにしっかりあげてくださいね!!


 

by booska1958 | 2012-12-24 12:03 | ワイズレディスクリニック | Comments(0)

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