深刻になりつつあります。 埼玉の周産期事情。

8月15日に年間900例近い分娩を行っている国立西埼玉中央病院が分娩中止に踏み切るとの告知がありました。

http://www.hosp.go.jp/~wsaitama/hospital/oshirase/img/annaunce120815.pdf

事情は新生児科専門医が不在となる可能性によるものですが、
兼任小児科医が5名いるのに分娩予約まで休止するのは?と思ってしまいますが、
何らかの事情があるのでしょうね。

ワイズレディスクリニック近辺に直接影響はないと思いますが、
6月のさいたま日赤に引き続き、県内に5箇所指定されていた地域周産期母子センターが3箇所になるということは、ハイリスク妊娠などの受け入れがさらに厳しい状況になります。

さいたま日赤の時には知事はさいたま市への「周産期医療に決定的な影響はない」とのコメントでしたが、
今回はどういう風に対処するのでしょうか?

埼玉県西部第一保健医療圏における地域医療再生計画によると、

『本県の周産期医療施設の状況を平成21 年4 月1 日現在で近隣6都県と比較してみる
と、周産期母子医療センター1か所当たりの出生数は10,136 人と最も負担が大きく、
周産期母子医療センター1か所当たりの出生数が最も少ない栃木県1,915 人の5.3 倍
になっている。診療報酬上のNICU の病床数で比較すると、本県のNICU1床当たりの
出生数は724 人であり、東京都の433 人と比べると、1床当たり291 人もの差がある。』

『本県の産科・産婦人科医数は、平成18 年医師・歯科医師・薬剤師調査によると出産
適齢人口(15 歳~49 歳女子人口)10 万人対で27.6 人と全国46 位の水準である。
次に少ない茨城県でさえ、分娩1,000 例あたりで見ると埼玉県の1.5 倍の医師数が
ある。また、年齢別産科医師数では、50 歳以上が52%を占め、実際に分娩を取り扱う
主力である30 歳代、40 歳代の医師数は減少の一途をたどっている。』

埼玉県の周産期医療はほかの県に比べても見劣りしているように思えるのですが、
これにさらに拍車がかかることになることが心配です。

埼玉県のお母さんや赤ちゃんが安心できるような名ばかりではないシステムを
ぜひ作っていただきたいと思います。

by booska1958 | 2012-08-18 01:04 | ワイズレディスクリニック | Comments(0)

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