インフルエンザ脳症について

スタッフのお子さんがインフルエンザではなかったのですが、最近、発熱した時の症状が心配だったということを聞きました。いわゆる熱譫妄(インフルエンザでも起こります)と呼ばれる状態だったようですが、実はインフルエンザ脳症に伴う異常言動・行動は、熱譫妄と区別しにくいです。

インフルエンザ脳症は、インフルエンザウィルスが脳に侵入して脳細胞を破壊するためではなく、ウィルスから発生する何らかの物質が関与している言われています。
「インフルエンザ脳症ガイドライン」(森島恒雄氏等)に掲載されているのが、インフルエンザ脳症患者家族の会「小さないのち」のアンケートです。それによるとインフルエンザ脳症の前駆症状としての異常行動・言動の例として、以下のような事例が、紹介されています。

 1.両親がわからない、いない人がいると言う(人を正しく認識できない)。
 2.自分の手を噛むなど、食べ物と食べ物でないものとを区別できない。
 3.アニメのキャラクター・象・ライオンなどが見える、など幻視・幻覚的訴えをする。
 4.意味不明な言葉を発する、ろれつがまわらない。
 5.おびえ、恐怖、恐怖感の訴え・表情。
 6.急に起こりだす、泣き出す、大声で歌いだす。
 これらの異常言動・行動の症状は、大脳辺縁系の障害と関連があるそうです。

2005年11月に配布された「インフルエンザ脳症ガイドライン」(森島恒雄氏等)によれば、以下のような場合は、二次、または、三次医療機関へ紹介することを勧めています。
 1.異常行動・言動が、連続的ないし断続的に、概ね1時間以上続く場合。
 2.異常行動・言動が見られ、意識状態が明らかに悪いか悪化する場合。

また、痙攣などは覚醒時に起こることが多いという報告があります。
両親や周囲の方は十分氣をつけた観察が必要ですね。

by booska1958 | 2009-09-07 00:00 | インフルエンザ関連情報 | Comments(0)

名前
URL
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。